🎓 1. 単品のTCFP/TMRを調べるとき
目的: 素材や製品1単位(例:ノートパソコン1台、ステンレス1kg)の環境負荷を、数値と構造で理解すること。
最初のベージ: ライフサイクルに関わる全系列表示
対象とする製品のライフサイクルにかかわる、すべての関連製品や素材、物質、処理、装置が表示されます。
最初の番号は、データベースの中の番号で、無視して構いません
次の項目が、そのライフサイクルで必要となる「子構成要素」の名前です。
そして、それがなにのために必要とんったかが TO以下に書かれている「親構成要素」です。
このTO以下の「構成要素」はかならず、それ以前に「子構成要素」として登場しています。これを追いかけていくのも、サプライチェーンを知るうえで役に立ちます。
ずっと下まで行くと「LCA計算を続ける」があり、それをクリックすると、計算結果の表示画面に移ります。
(注)一部にサプライチェーンが少ししか示されないものもあります。それは、その項目がそれまでの検索では末端の方にしかでてこなかったため、尻尾を切られているものです。これらはproで拡張していくことができます。
:計算結果の表示ベージ: トータルCFPとかもすの結果数値表示
ULCAの画面では、検索結果として以下の情報が得られます:
- TCFP(Total Carbon Footprint): 製品・素材1kgあたりのCO₂換算排出量。
- TMR(Total Material Requirement): 製品1kgを得るために動かされた天然資源の総量(kg資源/kg製品)。
- 要素内訳表: 電力、燃料、原材料、装置ライフなどを細分化した一覧から上位20のものが示されます。
- フローチャート表示:(別途) ブッシュボードの「フローチャート表示」で、採掘から廃棄までの工程を可視化し、負荷の発生段階を示します。
「前処理の出力」「計算の出力」はプログラムが上手く動いていることを示すだけです。ここに「〇〇ファイルに保存しました」以外の異常があればお知らせください。
「TCFP:」のあとの数値が、トータルCFPの、対象製品1kgあたりの値です。
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この表記では、
E-1 は「10のマイナス1乗」を意味します。つまり、1.23E-1 は次のように読み替えられます:
- 数式で書くと → 1.23 × 10-1
- 通常の小数に直すと → 0.123
Eの後の数字が大きいほど、桁が大きく(または小さく)変化します。
例えば、1.23E2 は 1.23 × 102 = 123、
1.23E-3 は 1.23 × 10-3 = 0.00123 となります。
このように、E表記はとても大きな数や小さな数を簡潔に書ける方法です。
またLCAのように多くの足し算をする場合は「有効桁数」という概念が重要になり、大抵の場合のLCAでは2桁程度と言われています。
その大きな数値の有効桁数以下の細かい数値はあのり現実的に意味を持たない場合が多いので、
この有効桁数がわかる1.23E-1のような表記がLCAにも適しています。
その次の2つの数字は内訳で、全ライフサイクルを通じて「電力」による寄与分と「燃料」の寄与分が出てきます。これらは、上流の各プロセスで使用された電力と燃料によるものです。
次の20の項目は、上流でCFPの累積への寄与の大きな要素をうえから20示しています。下流に近いほど累積されてくるので値が大きくなりますが、ときとして上流にあるのに大きな物があるので、それは要注意ということになります。
つづいて、TMRの計算結果と内訳データです。
こんどは、電力とともに、資源分の寄与が示されます。資源はもちろん資源使用に関わるものですが、電力も電力使用に関係する資源消費です。
上位20貢献度はCFPと同じでTMRに付いての貢献度です。
ここまでのデータがJSON形式でダウンロードできます。より深く検討したいひとは活用してください。
次には、資源利用の(TMR)のおおまかな各国依存度が示されます。
国名は「国連二桁コード」での表示になっています。<
「国内」はにほんの国内生産シェアから計算されていますが、海外のシェア率はその製品の国際貿易に対する対象国の輸出シェアから求められたもので、違う計算方法が混在しているために、全体のTMRと数値的に一致しないこともあり、あくまで、目安の数値としてりかいしてください。
次に、ダッシツュボードからフローチャートを表示できますが、そのフローチャートのもとになるデータをダウンロードできます。これもJSON形式ですので、興味ある方はご理由ください。
フローチャートのベージ: サプライチェーンの流れの見える化
結果のフローチャートを見るには、ダッシュボードから、「フローチャートの表示」を選びます。
このフローチャートは、サプライチェーンに沿って数値が累積していく状態を視覚的に表すものです。
フローチャートは「描画の対象」と「描画のパラメータ」を指定して表示させます。
「描画指標」ではなにの値をフローチャートで表すかを指定します、「トータルCFP」、「TMR」、物理的重「量」の3つから選んでください。
何も触らないときには「TCFP値」の累積状態をフローチャートで表すことになります。
「ライン幅)比」は、数値の大きさを表す線の幅を、リニア(単純な比例関係)、対数(桁の違いを比例幅として表す)、
平方(数値の平方比であらわす)のいずれかを選択します。
それ以下は、アローチャートを書くときのパラメータですが、このフローチャート自体はpythonというプログラムで自動的に描画条件を選んで作成されるので、その際の制約条件をちょっと変えるだけで、フローチャートが見にくかったら数値を変えてみる程度です。
「最大階層レベル」は、サプライチェーンの遡りの上限ですが、その前にフローチャートの線の比例関係が細くなり過ぎで書けなくなるので、あまり変わりません。
「描画地の最小閾値」は、数値がこれより小さくなったら書かずに良い、としてフローチャートの下限を指定します。
「線の太さスケール」は、最大の線の太さを表します。一度書かせてから調整するのが良いで使用。
「層間距離」は、フローチャートがもサプライチェーンの次の階層になったことを表す表示間隔の調整ですが、pythonが自動調整するためにあまり効果ありません。
これらの値がそれで良いとなれば、下の緑の「フローチャートを描画する」を押します。
すると、下方に、データをよみとり、パラメータの指示を反映した、フローチャートが描かれます。
線が細くなりすぎた場合はフローはあっても表示はされませんので、線の太さや、表示されている内容の数が気に入らなければ、パラメータを変えで、やり直すことができます。
よいとおもったフローチャートは、青の「ダウンロード」を押すと、pdfとしてダウンロードできます。
なお、その下の「実行ログ」は、処理が正常に進んでいるかを見るためのもので、フローチャートが書かれなかったり、別のLCAのフローチャートが書かれてしまうなどのエラー枷おきたら、この部分をコピーしてロールください。
グラフの見方のコツ:
- 下側が上流工程(資源採取)、上側が下流(製品・使用)、下に行くほどサプライチェーンを遡及。
- 太い矢印ほど、CFPやTMRの寄与が大きい部分。
- 異なる工程(例:電解精製と焼結)を比較すると技術の影響がわかります。
単品評価は素材研究や購買管理に有効で、他素材との比較によって「代替素材」「改善対象」を直感的に把握できます。
⚙️ 2. 複数素材で構成されたものを評価するとき
目的: 実際の製品や料理のように、複数の構成要素から成るものの全体像を把握すること。
入力画面では要素名(筐体・モーター・基板・電池など)と重量(kg)を指定します。ULCAはそれぞれのTCFP/TMRを参照し、加重平均で全体値を計算します。
- 総TCFP / 総TMR: 製品全体の合計値。
- 構成要素別寄与率グラフ: 各素材の負荷寄与を色分け表示。
- フローチャート: 資源の流れを俯瞰できる全体マップ。
見方のポイント:
- CFPでは電池・電子部品など電力多消費工程が支配的。
- TMRでは金属・鉱物など採掘負荷の大きい素材が目立つ。
- 「低炭素でも資源多消費」などのトレードオフを発見できる。
食品(例:カレーライス)の構成評価では、産地や輸送距離の違いも反映され、「食の選択」が環境にどう響くかを直感的に理解できます。
⚡ 3. 使用段階も含めたライフサイクル評価
目的: 使用時の電力・燃料・通信を含め、製品の一生全体で環境負荷を把握すること。
ULCAでは、使用条件(時間・電力量・燃料・通信量など)を入力すると、自動で使用中のTCFP/TMRを計算し、製造・廃棄段階と合算して表示します。
- ライフサイクルの使用段階の負荷を表示。
- 使用段階で「通信」の負荷も計算できるようになっています。
- 上位20項目リストで、影響の大きい要素を順位付け。
- 国別依存度マップで、資源・電力・燃料の依存地域を表示。
- 使用電力の排出係数が高い国ではCFPが増加。
- 寿命を延ばすと、製造段階の負荷を分散できる。
- リサイクル比率を上げるとTMRの削減効果が大きい。
ULCAは1E-7精度で全要素を追跡し、上位寄与要素を抽出できるため、改善優先度を明確に示します。
🌱 4. 結果の読み解きと活用のポイント
- TCFP(炭素フットプリント): 気候変動への寄与を示す。再エネ導入・高効率化評価に最適。
- TMR(関与物質総量): 資源・生態系への影響を示す。ネイチャーポジティブ設計に活用。
- 両指標を合わせて見ると、地球資源全体の持続性を評価できる。
- 構成や使用条件を変えることでシナリオ比較も可能。
例:
- 再生アルミを使うとCO₂−60%、TMR−30%。
- 使用年数を2倍にするとTCFPが半減。
結果の「数値」よりも、「どの段階を改善すれば効果が大きいか」を読むことが大切です。ULCAのフローチャートで太い矢印を探しましょう。
🧩 5. ULCAで得られる“構造的理解”
環境負荷は「素材 × 製造技術 × 使用条件 × 廃棄構造」で決まります。
ULCA結果はこれらを一枚のマップに可視化し、
- TMR視点:どの材料が環境に重いか。
- TCFP視点:どの段階が炭素多排出か。
- プロセス視点:どこに循環改善の余地があるか。
企業ではESG経営の科学的根拠、教育現場ではLCA教材、市民には日常の選択を見直す羅針盤として活用できます。
🌏 まとめ
ULCAの結果は、単なる数値表ではなく、「製品や暮らしを地球資源の流れの中に置き直す」ための地図です。
CFPとTMRという2つのレンズで見ることで、あなたの選択がどこで環境とつながり、どこを変えればより良くなるかが見えてきます。
それが、「みんなのLCA」としてのULCAの最大の価値です。